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キャリアアドバイザーコラム

常勤医師の32時間ルールの落とし穴とは?

転職

常勤と非常勤を組み合わせて働く場合の注意点

医師の転職の支援をする中で以下のような相談をいただきます。

・常勤で働きながら週1日平日の非常勤を継続したい
・常勤で勤務をしながら週に3日は家庭のことをしたい

など、週5日以下の常勤勤務時間のご希望です。

今回は、
なぜ常勤で勤務を希望される方が多いのか?
常勤医師の条件とは何か?
について紹介をさせていただきます。

常勤で働くメリット
「福利厚生の充実」
 まずは多くの福利厚生を受けられることが一番の理由として挙げられます。

 特に「健康保険」「年金保険」「労災保険」「雇用保険」などは
 支払いが報酬から引かれてしまいますが、どれも非常に大切なものです。

 その他、「退職金」「学会への参加費補助」「医学書の購入」など、
 勤務先からの援助を受ける事ができます。

「雇用の継続性」
 医師の雇用契約は1年更新であることが多いですが、
 一般的には特段の事情がない限り、
 法人側から雇用を打ち切られることはほとんどありません。

 一方で、非常勤勤務は常勤の採用状況等、
 法人側の事情で突然勤務が終了となることがあるため、
 安定という意味では大きな違いがあります。

「社会的な信用」
 非常勤勤務のみで常勤医師以上の年収を稼ぐ先生もいらっしゃいますが、
 単年でいくら収入があっても、来年も同じ収入を得ている保証がないと銀行に判断されると、
 住宅ローンなどが通らないこともあるようです。

常勤医師として働くための条件
 医師が常勤として働くための条件については、厚生労働省が医療法で定めています。

 「医療法第 25条第 1項の規定に基づく立入検査要綱」よりー
  ・常勤医師とは、原則として病院で定めた医師の勤務時間の全てを勤務する者をいう。
    ア 病院で定めた医師の勤務時間は、就業規則などで確認すること。
    イ 通常の休暇、出張、外勤などがあっても、全てを勤務する医師に該当するのは当然である。

  ・病院で定めた医師の 1週間の勤務時間が、32時間未満の場合は、32時間以上勤務している医師を常勤医師とし
   その他は非常勤医師として常勤換算する。

 つまり、週32時間=例えば1日8時間×4日間勤務をすることで常勤医師の条件を満たすことになるのですが、
 いくつか注意点がありますのでご紹介します。

週32時間で働く際の注意点
【週32時間勤務ができる体制か】
 週32時間はあくまで厚生労働省の定めた枠です、
 病院の就業規則で「常勤医師の勤務時間は40時間」と定めていれば規定に従う必要があります。

【9時から17時の勤務時間だと週4日に収まらない】
 意外と盲点なのが「1日の就業時間」です。
 病院であれば9時出勤で17時終了という勤務体制も珍しくはありませんが、
 これに休憩時間が1時間入れば1日の勤務時間は7時間。
 4日間勤務だと28時間にしかなりません。
 つまり更に4時間の勤務を行う必要があります。

 ここで注意して頂きたいのは、カウントはあくまで病院の定めた時間内での勤務のため
 残業で勤務時間が伸びたとしても32時間の中にはカウントされません。
 ※残業としては計算されます。

では、「常勤」にこだわらなければいいのかというと、
週2日や週3日といった勤務日数の希望は病院側に断られしまうことも少なくありません。
病院には医師の設置義務があり、
常勤医師の人数が基準以下であれば診療報酬が減算となるからです。

そのため、人手がどうしても足りない場合を除けば、
積極的に非常勤で医師を雇用するメリットあまりありません。

人員の確保のため、最初から週4日勤務可能と打ち出して求人を出している病院も多いですが、
そうでない所には個別での折衝が必要です。
ぜひ経験豊富なキャリアアドバイザーに是非ご相談ください。 


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