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人ごとではない!「偽ハーボニー」の流通問題

ニュースから考える

C型肝炎治療薬ハーボニー配合錠の偽造品が奈良県内の薬局チェーンの店舗から見つかりました。

しかも、発見のきっかけは、
以前処方された錠剤と色や形が異なると気付いた患者からの問い合わせでした。
薬局で偽の薬が流通したという事例は、前代未聞です。
普段、薬を取り扱うことの多い皆さんは、さぞかし衝撃を受けたことでしょう。

製造元のギリアド・サイエンシズ社は、薬剤師や処方する医師らに対し、
「ハーボニー」を取り扱う際の留意点を公表しています。
それによると、正規品は同社のマーク(Gilead)が入った
銀色の「封かんシール」で閉じられた箱に、添付文書と一緒に入っています。

つまり、ボトルだけで納品されていたり、
そのシールがはがされたような跡があったりしたら、「偽物かもしれない」と疑うべきでしょう。
添付文書がないものは、言うまでもありません。

同社はさらに、患者の前で必ずボトルを開封した上で、
次のことを確認するよう呼び掛けています。

▽ボトルの口の部分にアルミシールがきちんと貼られている
▽錠剤の形状・色・刻印
▽錠剤の数(1ボトル当たり28剤)
―など。

薬剤師の皆さんにとって、患者に手渡す前にボトルを開けて中身をチェックするのは
大変なことだと思います。
ただ、その開封作業を、ずっと続ける必要はなさそうです。

というのは、ギリアドは「ハーボニー」の包装を、
錠剤の形状や色が一目で分かるPTP包装シート(14錠)に切り替える予定だからです。

その時期は未定としていますが、
同社の担当者は「できるだけ早く変更できるよう準備を進めている」と話しています。
この切り替えは、「ボトルでは高齢者が開けにくい」といった
現場の意見を踏まえた対応で、偽造品が発見される前から計画されていたようです。

今後、新たな偽造品が流通し、患者の手に渡るのを防がなければなりません。
薬剤師の皆さんは、不審なものは販売せず、異常のない薬を患者に渡すことが肝要です。

また、卸売業者などから医薬品を譲り受ける際は、
その業者の名前やロット番号などを記録することも求められます。


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