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薬局開業にあたっての法人化(法人成り)のメリット・デメリット

開業

薬局を承継する際、個人事業主として始めるか、個人として始めるか

判断に迷い、ご相談いただくケースが多くございます。

一概に、「どちらが正解」ということはありませんが、
私がいままでお手伝いさせていただき、開業を叶えられた方は、
実は、全員が法人での事業開始を選択されています。

なぜなのでしょうか・・? 

本日は、法人化(法人成り)のメリット・デメリットを、改めて解説いたします。

≪法人成りのメリット≫

◆税務上のメリットがうけられる
 ⇒ 一般的に課税所得が500~600万円以上の場合、法人を設立したほうが有利といわれています。
◆経費として認められる範囲が広い
 ⇒ 法人の場合、生命保険や経営者の給与等を、経費として計上することができます。
◆欠損金を9年まで繰り越すことができる
 ⇒ 個人事業主の場合は、3年までしか繰り越せません。
◆退職金を損金として計上できる
 ⇒ 代表取締役や家族の退職金を経費扱いできます。
◆社会的信用が高い
 ⇒ 融資を受ける際、事業を拡大する際など、取引先等との交渉が有利になる場合も。
   会社によっては、会社組織でなければ取引をしないところもあります。
   また、人材採用の際も、個人事業主よりも法人のほうが安心されるケースが多々あります。
 

【法人成りのデメリット】

◆設立費用がかかる
 ⇒ 作成方法によりますが、ご自身で手続きした場合20~24万円の費用がかかります。
   手続きを司法書士等にお願いする場合は、追加で10万円程度プラスになります。
◆確定申告の手間が大きい
 ⇒ 申告書の添付書類や記載事項は、個人にくらべ法人のほうが圧倒的に多くなります。
◆赤字でも、法人税がかかる
 ⇒ 個人は、赤字の場合、法人税を払う義務はないが、法人の場合は、
   赤字でも、法人税の均等割(最低7万円)が必要となります。
◆社会保険の加入義務が生じる
 ⇒ 個人事業主は、従業員が5名以下の場合、社会保険の加入義務はありません。
 

薬局を開業されるにあたっては、「勤務薬剤師時代よりも給与があがること」
をひとつの目安にされる方も多いと思います。
そうなると、必然的に法人成りしたほうが税務上のメリットが受けられるということで、
法人設立という選択につながっています。

ただ、法人設立には2週間~1ヶ月程度かかるため、
設立される場合は承継日より日にちを逆算し進める必要があります。

売主の意向で、承継日等の期限が決まっている場合は、注意が必要です。
その場合は、一旦、手間の掛からない個人事業主として開業し、
落ち着いたら法人設立、というステップを踏む必要も出てくるかも知れませんね。


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