CAREER ADVISOR COLUMN

キャリアアドバイザーコラム

緩和ケア科とは? ~ご関心をお持ちの先生へ~

キャリアを考える

~全人的苦痛に対し、積極的にアプローチする~ その人らしく「生きる」を支える緩和ケア。

―「緩和ケア」とは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、
疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に関して、
きちんとした評価を行い、それが障害とならないように予防したり、対処することで、
QOLを改善するためのアプローチである(WHOの緩和ケアの定義2002年)

患者さんとその家族にとってより質の高い治療と療養生活ができるように、
より早期からより積極的に取り組むべき課題として位置づけられる緩和ケア

厚生労働省では「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」を掲げ、
メディアにも取り上げられるなど、注目が高まっている分野です。

ここでは緩和ケア科の仕事について、まとめてみたいと思います。

【緩和ケアの現場とは】
主に終末期医療の現場となるホスピス・緩和ケア病棟のほか、
抗がん剤治療中の方などに対しても闘病中の苦痛を和らげるために
一般病棟等で行う緩和ケアチーム医療、通院患者さんのための緩和ケア外来診療などがあります。
また、在宅ホスピス緩和ケアを行っているクリニックもございます。

【緩和ケアの仕事内容とは】
緩和ケア病棟管理の場合、担当患者数は一般~療養病棟管理と比較して少人数となります。
外来を持つ場合も1コマ数十名を担当する一般外来とは大きく様相が異なります。

例えば以下では、病棟主治医5~10名担当、外来は1コマ2名ほどです。
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【求人例1】
<緩和ケアにご関心をお持ちの先生、ぜひご応募ください!!
               通勤便利/時短可能/勤務日数相談可能>
~ 勤務条件 ~
【診療科目】 科目不問、緩和ケア
【勤務日数】 週4~5.5日 
【勤務時間】 8:55~17:00 夜診:16:00〜19:00(週1回)、早出:8:30〜(月2回)
       ※時短相談可能です!
【休  日】 日曜、祝日 ※他勤務日数による指定休日
【休  暇】 有給休暇、夏季休暇(5日)、年末年始休暇(5日)
【給  与】 目安 5年: 900万円、10年: 1,300万円、15年: 1,500万円
       ※手当別途
【当  直】 なし
【オンコール】 電話対応のみ、深夜の看取りは当直医が対応しております
【そ の 他】 学会参加補助年2回まで、上限年間20万円、昇給あり、赴任応相談

~ 業務内容 ~
・緩和ケア外来を週1コマ~(1コマ2名程度です)
・緩和ケア病棟管理5~10床程度、主治医制
・救急当番なし

~ コンサルタントより ~
・2015年に緩和ケア病棟を新設。ぜひお力添えをお願いいたします。
・経験豊富な医師が多く在籍しており、他科の医師や多職種スタッフと相談・協力が可能です。
 チームで行う医療を大切にしています。
・科目不問で募集しております。緩和ケアにご関心のある先生のご応募をお待ちしております。
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身体的・精神的な「苦痛」を緩和することに加え、
時には制度の活用なども含めた療養生活の支援、「その人らしい生き方」を支えていく医療であり、
看護師、薬剤師、栄養士やソーシャルワーカー、リハビリテーションスタッフ、
またボランティアなどとも一体となりチームで1人の患者さんと関わっていきます。
患者さん御本人とも、ご家族ともより深く、より密度の濃い関わりができるのが特徴です。

【どんな経験が必要か?求められる要件とは】
麻酔科や精神科のご出身の先生、消化器や呼吸器、血液内科など、
内科的・外科的にがん診療に携わられたご経験から、
「もっとがん患者さんに寄り添いたい」という思いを抱かれて志される方が多いようですが、
ご専門科目に関わらず、様々なきっかけで緩和ケアに転科を希望される先生がおられます。

緩和ケアに携わられる先生方のために、厚生労働省によるe-learningと、
がん診療連携拠点病院や地域がん診療病院等の実施主体による集合研修で構成された
「緩和ケア研修会」が開催されています。
本年度から制度が見直され、集合研修は2日間から5時間半に短縮され、
より受講しやすくなっています。

集合研修実施主体となる病院にお勤めの先生はもちろん、
緩和ケア病棟を有するすべての病院の医師が受講することが望ましいとされていますので、
研修会への参加の可否や補助などについては、
コンサルタントを通じて応募医療機関へご確認いただくとよいかと存じます。

緩和医療の資格については、専門医制度もスタートしましたが、
緩和医療学会では並行して認定医制度を設けています。
緩和ケアの現場は、様々な診療科での臨床経験を経て転科される医師が支えている実情もあり、
それらの医師が臨床研修を2年間受けて専門医を取るのは困難であるとの
理由から設けられた制度であり、
その背景には取得困難な資格を取らせることを優先する前に、
現場で活躍する医師の裾野を広げたい、早期に育成したいというスタンスが見えるように思います。

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<参考:認定医の申請条件>
1) 日本国の医師免許を取得している者
2) 初期研修を含め 7 年以上の臨床経験を有する者
3) 専門的緩和ケアの現場で 6 ヶ月以上の臨床経験を積み、かつ同現場で 50 例の症例を担当した者*
4)下記の条件を満たす 5 例の症例報告書を提出すること*
 ・5 例のうち 1 例以上は「痛み」区分の症例を必ず含めること
 ・さらに「痛み以外の身体症状」「精神症状」「社会的な関わり」
  「スピリチュアルな関わり」区分の中から 2 区分
 以上加え、合計 3 区分以上の症例があること
5) 本学会主催の学術大会に 1 回以上参加していること*
6) 本学会主催の教育セミナーを 1 回以上受講していること*
7) 緩和ケア研修会(PEACE project)または、指導者研修会を修了していること
8) 申請時点で 2 年以上継続して本学会員であり、当該年度の会費を納めていること
*申請年より遡って5年以内(2018年度に申請する場合は2013年1月1日以降)のものとする。
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資格取得を目指して、指導体制の整った病院へご就職なさることももちろん可能です。
また、指導医不在であっても、新たに病棟を立ち上げたり、
緩和ケアチーム一丸となって試行錯誤しながら患者さんの精神的・身体的な苦痛の緩和に
取り組んでいる病院もございます。
そういった病院では科目不問、経験不問で、
緩和ケアに志をもっておられる先生を積極的に受け入れておられます。

苦痛を抱えて闘病する人、人生の終わりを迎える人、
それらの全てが対象となり得る緩和ケア。
必要とする患者に対し、担い手の数はまだまだ少なく、十分に行き届いていないのが現状です。

もし少しでもご関心をお持ちでいらっしゃいましたら、
ぜひ弊社コンサルタントへ、お気軽にご相談ください。
先生からのお問い合わせを心よりお待ちしております。


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